世界的に有名な編集長

前回までの投稿で、スナップ撮影って動きが大切なんだということがわかっていただけたかと思う。
じゃあ動かないシチュエーションは必要ないかっていうと、そういうわけではないですよ。
実際に撮影していると、動かないものを撮影することが多いのではないかな?

ミラノに在住の頃にLEONのオヤジスナップを撮っていたことは前にお話ししましたが、男性誌だけじゃなく、この頃女性誌の撮影依頼も次第に受ける様になりました。
女性誌の撮影方法はLEONのオヤジスナップとは違って被写体になっていただけるミラネーゼに完全に止まってもらい、ディテールの分かる様に全体の写真とパーツ写真を撮ることが多かったのですが、中でも小学館の「Domani」の仕事の際はファッションウィーク(Nazionale della Moda Italiana)期間中に世界中のファッション・エディターやモデルを撮影したり、来場しているファッショナブルな女性の方々を撮影する事がありました。
ショーをいくつも駆け回りつつ、気になるショップ取材や展示会、各ブランドが主催する食事会などなど、とにかく朝から晩まで忙しく移動と撮影を繰り返す楽しくもめちゃめちゃ忙しい撮影です。

ここで大きなミス!

2006年のことだったかな?CFカードを入れたケースを移動している途中で落としてしまう大きなミス。(; ゚д゚)
あまりのショックに心臓が止まるかと思いましたが、正直に謝って編集者の方にCFカードを落としてしまった事を伝えました。
不幸中の幸いというか撮影したデータは休憩中にパソコンに取り込んでいたので、今まで撮影したものには影響は無かったのですが、残りはカメラ2台に残った4GBのCFカード2枚で、これだけではこの先の撮影が心もとない。
真っ青な顔をした私を見て気の毒に思ったのか、編集者の方が仕方がないので取材の途中ではあるのだけれど、CFカードを一緒に買いに行ってくれることに。
ただ、当時のCFカードの値段ってめちゃくちゃ高かったんですよ。_| ̄|○
そんなダメダメな私に本当に優しい心遣いを編集者の方がしてくださいました。
なんと、4GBのCFカードを2枚も買ってくれたんです。
いや、マジで、なんと言ってお礼を言っても言い尽くせない感謝でいっぱいでした。

本当に”安○な○”さん「ありがとうございます!!!!」
あの時は本当に嬉しかったです!!


すみません。
込み上げてくるものが。。。(T ^ T)
皆さんもメモリーカードの取り扱いは十分に注意しましょうね。

チャンスは逃すな。
有名人にも果敢にアタック!

またまた話がずれているので、肝心な撮影の話に戻します。
そういえば何度かあったDomaniのミラノ取材の時に小学館現女性メディア局コンテンツビジネス室編集長「福田葉子さん」(前Domani編集長)もいらっしゃった事があったな。
なんだか懐かしいです。
そしてその時だったか、TOD’SのLunch付きの特設展示会で世界的にも有名なアメリカ版「VOGUE」編集長の「Anna Wintourさん」とTOD’Sオーナーの「Diego Della Valle氏」が食事をしていたので、撮影しても良いか突撃。
玉砕覚悟だったのですが、無事こちらを向いていただけるとことに成功。

それが今日の一枚です。

黙って撮るのは失礼、というか今の時代やっちゃダメダメ。
だから何事も失敗を恐れずチャレンジすれば気持ちが通じることもあるのです。
声がけの重要さがわかったかな?

TOD’S Lunch

人物のスナップに必要な要素 - 動感とは? –

スナップで大切なのは光の使い方だけで良いのか?
そんなはずはありません!
光の使い方は要素の一つなので、当然それ以外にスナップに必要な要素も沢山あるのです。

実は日本でスポーツ系の写真家を10年ほどやってたのだけれど、イタリアへ渡る直前まではAFLOという会社に所属しいて、オリンピックやサッカーW杯などの国際大会に行くたびに様々な国々で、スポーツ以外の街スナップなんかをよく撮影していたので、いつしかスナップ写真が自身のライフ写真のテーマになっていました。
私のスナップ撮影方法はスポーツ撮影のようにスピード重視で、ドンドン移動しながらガシガシ撮影。
だから1日2万歩なんて当たり前で、毎日クタクタでせっかく観たミュージカル「レ・ミゼラブル」で1幕の大半を寝落ちする始末。(( _ _ ))..zzzZZ
(2幕は目覚めてしっかり観れたけど。。。)

そんなこんなでスナップ写真には並々ならぬ思いがあるのです!!

2016年1月に銀座のソニービル(現在は銀座ソニーパーク)にてニューヨークをスナップした写真展『New² York』は2フロアを使った展示で、約150点の作品を展示したのだけれど、写真展にするために撮影が終わるまで2年かかりましたが、実際の撮影期間はトータルで10日間(1年に5日間づつ)と短かったけど、凝縮して撮影した枚数は約2,000枚。
もしかすると撮影枚数が少ないんじゃない?って思ってます?
重要なのは量よりも質だから、写真展の構成を考えながら撮影をすれば2,000枚は十分な枚数なんですよ。

テーマを持って撮影に臨むのが肝心

イタリアに住んでいた頃に旅行誌などで色々な場所を撮影して回っていたので、頭の中に構成がドンドン浮かんでくるので、ニューヨークの時は最初の1年目にとにかく歩き回って目につく限りマンハッタンやブルックリンの色々な場所を撮影して、2年目は今まで撮影したものに何が足りないのか?必要な要素は何か?更に撮り増したい場所は何処か?をという事を考えて、撮影するといった感じでした。
沢山のシーンが欲しいから、滞在中はほぼ毎朝夜明け前からマンハッタンを望めるブルックリンブリッジ近くで撮影を始め、夜の街並みも撮影していました。
毎日同じ朝にはならないし、同じ夜もないからスナップ写真を撮るのって体力勝負!実はとても大変なんです!
(長くなるので、この辺の話しはまた改めて詳しく書きます。)

動感を持たせる

話が逸れちゃったから戻しますね。
タイトルで書いている「動感」っていうのは自分が動きながら撮影する事!!っていうのは冗談で、被写体に動いてもらい撮影する事。
当然ただ動く被写体を普通に静止画の様な感じで写しても意味はないから、動きが感じるように写さないとね。
動感を持たせる撮影方法は、スポーツ撮影をしていた時によく使っていた手なんだけれど、ファッション・スナップの場合は何処をどう歩いてもらうかなどちゃんと打ち合わせてイメージを持たせる事が必要で、具体的になればなるほど撮影がしやすくなるから人物でのスナップを考えている人は動感を取り入れる事を試して欲しい。

少し足がブレるくらいに写す事で動感が生まれる。
これが生きているスナップだ!

ここで注意するべき点は顔はブラさない事。
その方が被写体が浮き出てくるし、差し込む光が無い時などはこの方法が役立つので覚えておくと便利ですよ。

Via Montenapoleone Milano