スナップ写真は「ただ撮ればいいんでしょ!」って思っているあなた!
それは大きな間違いです!
じゃあどう撮ればいいのでしょう?
そんな疑問を解決するように、勝手に「スナップ塾」を始めます。
まずは一番得意な「ファッション・スナップ」からスタートです。
私がミラノに住み始めたのは2003年。
ちょうどその頃にあの超有名なメンズ誌「LEON」がイタリア男の写真を載せることになって、色々な巡り合わせから私に白羽の矢がぶっ立ったのはいいのだけれど、残念な事にイタリア語が全く出来きない。。。_| ̄|○ ダメじゃん!!!!
では、なぜイタリア語が出来なきゃダメだったかって???
今までのスナップ写真って、綺麗な着こなしをしている人に声をかけて立ち止まったところをスナップして、ディテールなんかも抑えていくってな感じの写真だったわけです。
だからまず立ち止まらせるには声をかける必要があったのだけど、当時のおいらにそんな勇気などなくて、テスト撮影の時にとりあえず望遠レンズでパパラッチ風にイタリア男をスナップして編集部に送ったところ「この感じいいね!」ってなったのだけれど、仕事として紙面に載せるためには、結局名前聞いたり写真を雑誌掲載の許可も聞かなきゃいけないから、結果的には一所懸命にイタリア語を勉強するためにミラノで語学学校に通いましたよ。だって仕事に繋がらなかったら困るのは自分だからね。(笑)
とにかく必死に頑張ったから「LEON」のミラノ・スナップが始まったのです。
今日の一枚
「一番大切なのは光の使い方」
ここに写っている男性は、現在「FORZA STYLE」編集長の「干場義雅」氏です。
(もちろんホッシーに写真使用の許可をいただいています)
実は先ほど話したテスト撮影でテストで撮ったミラノ・スナップは現在の「LEON」編集長の「石井洋」氏が当時の担当編集者で、彼に私の写真を気に入ってもらったのがきっかけでした。
実際にミラノで会った時に「雰囲気があるし、光の使い方が好き」なぁーんて言われて、今でもハッキリ覚えているくらい本当に嬉しかった!
まあ、その時の写真はポジフィルムで撮影して納めちゃったから手元に無くて見せる事はできないけれど、ちょうどこのホッシーを撮った写真がその時の写真の光に感じが似ていたので、最初の一枚はこれに決定!!
ちなみにホッシーとは彼が「LEON」の編集をやっていた時からの付き合いで、ミラノ・スナップだけじゃなく、ミラノでお買い物の企画やミラノ・ファッションウィークなんかでもご一緒する感じで、以来日本に戻ってからも色々とお世話になってたりします。
さて、「今日の一枚」の話しだけれど、この写真はホッシーと地中海クルーズに行った時に「LEON」スナップ風に撮影した一枚なんだよね。
モナコのカジノ広場に面したCafé de Paris Monte-Carloでお茶をしている時に光の感じが素敵だったので、ホッシーにお願いしてCasino de Monte-Carloの前から歩いてもらい、ちょうど光の中に入ったところでシャッターを切りました。
とはいえ、ただ歩いただけでは何も面白くないので、彼の横になる位置なんだけど、車道を挟んだ向こう側の歩道に美しい女性が歩いているという架空のシチュエーションにしてもらい、「なんとなく見とれているといった態で横を向きながら真っ直ぐ歩いてきてね」という打ち合わせをしてから撮影に臨んだのがこの「今日の一枚」です。
1、できる限り自然に見えるように撮影をするには事前の打ち合わせが必要。
2、かっこよく写すには場所の選択で雰囲気を演出。
3、光をどのように使うか。(一番大切な要素)
この写真の場合は逆光が建物から漏れてくる事で被写体のエッジが立ち画面がグッと引き締まるし、空気の透明感も増して洋服を綺麗に見せる効果もある。
例えば光の無い日陰の部分で撮影していたらきっと被写体は背景に溶け込んでしまい、つまらない写真になってしまっただろう。
だから、光が一番大切なんです。